☆彡 子どもの幸せ・絵本・社会(9)

      2021年 12月

『さあ 森のようちえんへ 小鳥も虫も枯れ枝も みんな友だち』

石亀泰郎 文と写真  ぱるす出版 平成11年6月26日発行

今年もあと2日。年末の慌ただしい中でも、この絵本を開けば、森の中でのゆったりとした時間に身を置くことができます。自然の美しさの中に、子ども、保護者、保育士の表情の豊かさや穏やかさが溢れています。

自分の子育てのさなか、「森の幼稚園」はあこがれであり、子どもとの付き合いのモデルでもありました。

この絵本はデンマーク、グラドサクサ市の「グラドサクサ森の幼稚園」(1969年創立)に取材したものです。

この園の目的は *自然の体験 *森の動植物を尊重しつつ自然と交わる *四季を学ばせる *観察力をつけさせる *運動力、感覚、言葉、創造力、自立性、協調性を育てる *これらの発達の可能性は、各々の子どものテンポを基にする と解説されています。





先生も子どもも頭にはっぱ



















丸太でシーソーあそび


            森の中のクリスマス


そもそも「森の幼稚園」は1952年に一人の母親により始められ、このスタイルの幼稚はデンマークでは幼児教育の一つの選択肢として受け入れられ、広く支持されています。この背景には「生きた言葉を、生きた耳に」という対話の重視、「子育てと教育は責任と尊敬を伴った自由を基本にしなければならない」と主張した、社会、教育改革者グルントヴィ(1783~1872 デンマークで最も尊敬されている人物)の考えがあります。デンマークの高福祉、高学力、幸福度や環境保護意識の高さは150年以上も前に端を発しているわけです。

日本でも森の幼稚園は全国に広がり、全国ネットワーク組織も存在するほどになっています。それに先駆け、30年くらい前から子どもの自主的な遊び、遊びのもつ豊かさを取り戻すために冒険遊び場、プレイパークなどの取り組みがされています。

この本の幼稚園のルールですが、次のようなものです。

*おもちゃを持っていかない。*キャンディーを一人分だけ持っていくのはダメ、みんなで分けられればよい。*木の枝を折らない *リュックに入らないもの、自分で持ちきれないものは持ち帰らない

先生の声の届かない所に行かないというルールのある園もあるようです。

森には少々の雨、雪などでも出かけて行くようですが、悪天候や途中での天候の変化に応じて園舎で過ごすということのようです。(森の中で過ごすのはだいたい4時間程度) 写真の中では、地面に寝転がったり、丸太によりかかってじっとしている子ども、木の陰で涙ぐんでいる女の子などもいます。男の子どうしのけんかの場面も。しかし、先生が大声で子どもを叱ったり、子どもが大声で泣きわめいたりという場面に出会ったことがないと作者は述べています。

先生たちの対応は、教育や民主主義社会のたまものと思います。そのような大人に育てられ、自然の中で過ごす体験が子どもを穏やかに、自分と向き合うことを得させているように感じます。

子どもたちは先生の周りに車座になって絵本を読んでもらったりもしています。数少ない集団行動かもしれません。

行事的なものとしては保護者も一緒のクリスマスが紹介されています。鳥のためにお団子状の餌を木に吊り下げたり、森の妖精ニッセに家やお粥プレゼントしたり、森で過ごすことのできる感謝の気持ちを表した歌を歌ったり・・・。暖かな心になれるクリスマスのシーンです。

このような幼児期を過ごすことは、子どもの持つ力を豊かにし、ライフスキルの根底をなすことではないかと思います。

さて、皆さんはこの写真絵本をお読みになったことがあるでしょうか?まだの方はぜひ読んで、写真を見てほしい。おすすめの一冊です。

ライフスキル教育の視点でいえば、10個のライフスキルのすべてを身に着けていくことができる体験が「森の中にある」ということです。

そう考えると、森の幼稚園に勝る幼児教育はないようにも思えてきます。今日、デンマークのお隣の国スウェーデンでは、シュタイナー教育、モンテッソーリ教育(どちらもすぐれた幼児教育の考え方であり、実践ですが)を行う幼稚園よりも、親にとって人気があるのは「森の幼稚園」だそうです。小さなお子さんがおられる方は、森の幼稚園があればぜひ体験しに行ってみてください。森の幼稚園が近くになくても、近くの森にでかけて、ひと時を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。

*ライフスキル:自己認識、共感性、効果的コミュニケーションスキル、対人関係スキル、意志決定スキル、問題解決スキル、創造的思考、批判的思考、感情対処スキル、ストレス対処スキル 以上10の技術のことです。いずれも 心理・社会的変化に対する適応能力を高めるスキルです。

                             廣岡綾子・逸樹

今年もあと2日。年末の慌ただしい中でも、この絵本を開けば、森の中でのゆったりとした時間に身を置くことができます。自然の美しさの中に、子ども、保護者、保育士の表情の豊かさや穏やかさが溢れています。

自分の子育てのさなか、「森の幼稚園」はあこがれであり、子どもとの付き合いのモデルでもありました。

この絵本はデンマーク、グラドサクサ市の「グラドサクサ森の幼稚園」(1969年創立)に取材したものです。

この園の目的は *自然の体験 *森の動植物を尊重しつつ自然と交わる *四季を学ばせる *観察力をつけさせる *運動力、感覚、言葉、創造力、自立性、協調性を育てる *これらの発達の可能性は、各々の子どものテンポを基にすると解説されています。


先生も子どもも頭にはっぱ





   丸太でシーソーあそび

                  森の中のクリスマス

そもそも「森の幼稚園」は1952年に一人の母親により始められ、このスタイルの幼稚はデンマークでは幼児教育の一つの選択肢として受け入れられ、広く支持されています。この背景には「生きた言葉を、生きた耳に」という対話の重視、「子育てと教育は責任と尊敬を伴った自由を基本にしなければならない」と主張した、社会、教育改革者グルントヴィ(1783~1872 デンマークで最も尊敬されている人物)の考えがあります。デンマークの高福祉、高学力、幸福度や環境保護意識の高さは150年以上も前に端を発しているわけです。

日本でも森の幼稚園は全国に広がり、全国ネットワーク組織も存在するほどになっています。それに先駆け、30年くらい前から子どもの自主的な遊び、遊びのもつ豊かさを取り戻すために冒険遊び場、プレイパークなどの取り組みがされています。

この本の幼稚園のルールですが、次のようなものです。

*おもちゃを持っていかない。*キャンディーを一人分だけ持っていくのはダメ、みんなで分けられればよい。*木の枝を折らない *リュックに入らないもの、自分で持ちきれないものは持ち帰らない

先生の声の届かない所に行かないというルールのある園もあるようです。

森には少々の雨、雪などでも出かけて行くようですが、悪天候や途中での天候の変化に応じて園舎で過ごすということのようです。(森の中で過ごすのはだいたい4時間程度) 写真の中では、地面に寝転がったり、丸太によりかかってじっとしている子ども、木の陰で涙ぐんでいる女の子などもいます。男の子どうしのけんかの場面も。しかし、先生が大声で子どもを叱ったり、子どもが大声で泣きわめいたりという場面に出会ったことがないと作者は述べています。

先生たちの対応は、教育や民主主義社会のたまものと思います。そのような大人に育てられ、自然の中で過ごす体験が子どもを穏やかに、自分と向き合うことを得させているように感じます。

子どもたちは先生の周りに車座になって絵本を読んでもらったりもしています。数少ない集団行動かもしれません。

行事的なものとしては保護者も一緒のクリスマスが紹介されています。鳥のためにお団子状の餌を木に吊り下げたり、森の妖精ニッセに家やお粥プレゼントしたり、森で過ごすことのできる感謝の気持ちを表した歌を歌ったり・・・。暖かな心になれるクリスマスのシーンです。

このような幼児期を過ごすことは、子どもの持つ力を豊かにし、ライフスキルの根底をなすことではないかと思います。

さて、皆さんはこの写真絵本をお読みになったことがあるでしょうか?まだの方はぜひ読んで、写真を見てほしい。おすすめの一冊です。

ライフスキル教育の視点でいえば、10個のライフスキルのすべてを身に着けていくことができる体験が「森の中にある」ということです。

そう考えると、森の幼稚園に勝る幼児教育はないようにも思えてきます。事実、デンマークのお隣の国スウェーデンでは、シュタイナー教育、モンテッソーリ教育(どちらもすぐれた幼児教育の考え方であり、実践ですが)を行う幼稚園よりも、親にとって人気があるのは「森の幼稚園」だそうです。小さなお子さんがおられる方は、森の幼稚園があればぜひ体験しに行ってみてください。森の幼稚園が近くになくても、近くの森にでかけて、ひと時を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。

*ライフスキル:自己認識、共感性、効果的コミュニケーションスキル、対人関係スキル、意志決定スキル、問題解決スキル、創造的思考、批判的思考、感情対処スキル、ストレス対処スキル 以上10の技術のことです。いずれも 心理・社会的変化に対する適応能力を高めるスキルです。

廣岡綾子・逸樹


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