☆彡 子どもの幸せ・絵本・社会 (17)    

2022年 9月          『こどももちゃん』 さく・え たちばな はるか 偕成社


 今日のこどももちゃんのお話の中では、自己認識(ぱんつのゴムが切れて、困っている。誰かに助けてほしい。適切に助けてもらい、問題が解決されるとどんな気持ちに変わってていくか)と効果的なコミュニケーションスキル(助けて!と言う)、問題解決スキルを身に付けていく上で、他者との関係性、理解してくれる(時には、察してくれる)大人と出会うことが大切であることが描かれています。

ライフスキルは、周りの関りの中で少しずつ身に着けていくものです。しかし、困った時にどのように適切に助けを求めるか、これは大人の私たちにとっても、意外とむつかしい。周りからネガティブなストレスを受け続けて心が打ちひしがれてしまったときには、なおさら「助けて」の一言が言えなくなってしまいます。そんなことを経験した方も多いのではないでしょうか。

 私をこの絵本を読んで、ホームレス支援を北九州市内、下関市で長年続けている抱樸館の奥田智志牧師の『「助けて」」と言える国へ(集英社新書)』を思い出しました。無縁社会が広がり、格差が拡大している日本。加えて、この夏には「旧統一教会」が、日本の全国各地で悪事を働き続けていることが明らかになりました。心優しき人々の弱みに付け込んで洗脳し、金銭を巻き上げつづけるカルト組織が、政治、教育現場を侵襲し続けようとしていることが露わになったのです。私たちは、そのような悪の力を排除し、分断ではなく多様性を認めながら、相手の気持ちに配慮したよい関係を築いていきたいものです。

 そんな豊かな関係性がこの絵本の終わりの数枚の絵にみごとに表されています。ぜひ、お子さんたちといっしょに、絵本を手に取ってじっくり味わってほしい。秋の夜長、子どもたちとこのイメージを共有してみてはいかがでしょうか?


*ライフスキル:自己認識、共感性、効果的コミュニケーションスキル、対人関係スキル、意志決定スキル、問題解決スキル、創造的思考、批判的思考、感情対処スキル、ストレス対処スキル 以上10の技術のことです。WHOが1993年に「おとなになるまでに、身に着けてほしいスキル」として提唱しました。

廣岡綾子・逸樹   

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